あ、写真。
チビ子です。
でかくなりました(笑)。
前回の日記の、もと仔猫です。
猫の親子の話を書いたので、
人間の親子の話も(笑)。
久々に両親の話を。
うちのオトンとオカン、
このシリーズ(大袈裟な!)を読んでくださった方は、ご存じだと思うが、
あほである。
とんちんかんである。
浪速のオトンとオカンである。
しかし、愛すべき両親なのである。
母の話。
切ない、恥ずかしい思い出ですが。
なんだか二回も続けて思い出話ですみません・・・
シマ子の話を書いて、オカンのことが無性に書きたくなったのです。
母はあたしが小さい頃から働いていた。
うちは共働きだった。
母は祖父がやってた小さい工場(こうば)を手伝っていた。
働きながら四人の子供たちを育てるのは大変だっただろうと思う。
朝、子供たちの弁当をつくり、学校にやって、
掃除、洗濯を済ませ、
会社に行き、
帰ってきたらすぐ晩御飯の用意。
ご飯を食べたあと、母の大好きな「火曜サスペンス」など見ている時でも、
知らない間にこたつで寝ていたりする母を見て、
いつのまにか兄妹は団結し、母が帰ってくるまでに、
・晩御飯のおかずの材料の買い物
・米を洗う
・お風呂をわかす
・洗濯ものを取り込み、たたむ
を、手分けし、実践していた。
「お母さんを助けなきゃ」などという純粋な気持ちではなく、
「これ以上働かせたら、オカンやばくね?」ってな感じの
オカンが倒れたりなんかしたら、自分たちが大変になる、という、
なんとも不安なおももちの子供たちであった(笑)。
それと母はいつも
「ありがとう~、助かるわ~」と言ってくれたので、それも嬉しかった。
しょせんは子供・・・・(笑)
自分たちも家を支えている気がして嬉しかったのだ(勘違い)
あたしが小学校4年の頃。
クラスで、スケートが流行っていた。
アイススケートね。
遊園地などにあるスケートリンクに行くのが流行っていたのだ。
憧れだった。
クラスの、えっちゃん、という女の子が言った。
「今度、女子でオーバーオールお揃いで着て、スケート行けへん?」
その頃、オーバーオールも流行っていた。
あたしは、そんな素敵な光景を想像し、わくわくした。
女の子みんなでオーバーオールを着て、スケート場に行くのだ。
想像するだけで楽しい!!!
ハッスルしないわけがない!!!
「行く、行く、行きたい~!」
みんなが言った。
あたしも一緒に言った。
しかし、
残念ながら、あたしはオーバーオールは持ってなかった。
どうしよう。
今考えれば、服なんてどうでもいいのに、
まだ小学生女子だったあたしは、
「なんとかしてオーバーオールをゲットしなければ!!」
と焦った。
悩みに悩んだ。
みんなオーバーオールを持っていて(もしくは買ってもらって)、日曜の話で持ちきりだ。
あたしだけが持ってなかった。
「かっちゃん(あたしのあだ名)もオーバーオール買ってもろたん?」
と、えっちゃんに聞かれて、
「うん、今度買いにいくねん」
と、嘘をついた。
どうしよう・・・
日曜もせまったある日、
あたしは思い切って母に申し出た。
オーバーオールを買ってくれ、と。
母は困った顔をして「買われへん」と言った。
あたしは、理由を説明した。
今度の日曜に、みんなでオーバーオールを着てスケート行くねん、みんな着てくるねん、あたしも着ていかなあかんねん、だから欲しいねん、と。
母は、「あかん」、と言った。
ショックだった。
あたしは泣いた。
「なんでよ!」と怒りながら泣いた。
「もうスケート行けへん!お母さんのアホー!!」
と言いながらわんわん泣いた。
その日は晩御飯も食べずに、泣きながら寝てしまった。
日曜日がきて、
えっちゃんたちが迎えにきた。
あたしは、布団の中から「行けへん」と言った。
母は玄関で、
「ごめんな~、ともちゃん、風邪ひいてしもて、今日行かれへんねん。
ほんまにごめんな~。また誘ったってな~」とえっちゃん達に言った。
あたしは布団の中で
「お母さんのせいや!お母さんのせいや!!」とふてくされていた。
その後、「あんた!!わがまま言いな!!」と怒られるかと思ったが、
母は何も言わなかった。
あの時のことは、ほんとに鮮明に覚えている。
悲しかったけど、ほんとに悲しかったんは、オカンだったんやろうな・・・
と、少し大きくなってから気づいた。
今思えば、ほんとに恥ずかしく、
「小学生の頃のあたしめ!バカ、バカ、馬鹿野郎!!このドアホ!死んでしまえ!オカンに謝れ!!このバカチンが!!」となじりたい気持ちでいっぱいだが、
仕方ない・・・小学生だもんね・・・
2~3年前にオカンにその話をした。
オカンは覚えていた。
「あ~、あったなぁ~」
と言った。
あたしが
「今思えば恥ずかしいわ。あの頃のあたし、あほやったなぁ~、ごめんな~」
と言うと、
母は
「ええよ~、しゃーないよ~」
と、すっかり老人の顔で言った。
穏やかな顔を見て、ちょっと泣きそうになった。